【2026年9月版】AWSアップデート3選|アラーム通知・画像配信・インシデント対応を効率化

2026年9月に発表されたアップデートの中から、AWS環境の監視・運用や、Webサイト・アプリケーションの配信基盤を担当する方に向けて、日々の運用負荷の軽減につながる3つのアップデートを厳選してご紹介します。
目次
アップデート①:Amazon CloudFrontの動的画像変換に4つの新機能を追加
アップデート②:Amazon CloudWatchがアラームのウォームアップ期間のサポートを開始
アップデート③:AWS DevOps AgentがSlackでの双方向インシデント調査に対応
まとめ
アップデート①:Amazon CloudFrontの動的画像変換に4つの新機能を追加
CloudFrontは、AWSのコンテンツ配信サービスであり、動的画像変換(DIT)は、配信する画像をリアルタイムにサイズや形式を変換して配信する、AWS公式のソリューションです。
画像のリサイズ、トリミング、形式変換などの機能が備わっており、ユースケースに合わせて配信する画像をカスタマイズできます。
DITを使用するメリットは次のとおりです。
画像表示の高速化:あらかじめ指定した設定やデバイスに合わせて画像サイズを最適化するため、レイテンシが小さくなります。(デバイスに合わせたサイズの最適化はECS版が対象)
配信料金の最適化:配信される画像のサイズが小さくなり、データ転送量が減るため、データ転送料金を削減できます。
ストレージ料金の最適化:類似の仕組みでは、サイズ違いの画像を事前に何種類も用意するケースが多く見られます。DITはリアルタイムにサイズを変換して配信し、変換結果はCloudFrontのエッジにキャッシュされるため、サイズ違いの画像を保管する必要がなく、ストレージ料金を削減できます。
▼コスト最適化画像処理のためのラムダアーキテクチャ

今回のアップデートで、次の4つの新機能が追加されました。いずれもECS版(v8.1以降)が対象です。Lambda版のスマートクロップは、顔検出のみに対応しています。
スマートクロップ機能の強化:顔、ラベル(物体など)、テキスト、ロゴ、Rekognitionのカスタムモデルを組み合わせて、トリミングする対象を指定できるようになりました。
自動最適化機能の強化:ブラウザの対応状況の差で、これまで最適化されていなかった約30%のトラフィックにも、サイズ最適化が適用されるようになりました。スマートフォン、タブレット、スマートテレビなど、すべてのデバイスが対象です。
プレイグラウンド機能の追加:DITの管理画面上で、画像の変換を試し、変換後の画像と、ファイルサイズ、圧縮率、処理時間などの指標を確認できます。
ECS版の機能強化:今回のアップデートで両アーキテクチャの機能パリティ(機能の対応範囲)が向上しました。
DITは、すべての商用リージョンと、オプトインが必要な4つのリージョン(香港、バーレーン、ケープタウン、ミラノ)にデプロイできます。
▼参考
・Lambda Architecture - Dynamic Image Transformation for Amazon CloudFront
・Dynamic Image Transformation for Amazon CloudFront adds four new features - AWS
・Features and benefits - Dynamic Image Transformation for Amazon CloudFront
・Use the Playground - Dynamic Image Transformation for Amazon CloudFront
アップデート②:Amazon CloudWatchがアラームのウォームアップ期間のサポートを開始
CloudWatchは、AWSのリソースやアプリケーションを監視するサービスです。
今回、CloudWatchアラームがウォームアップ期間をサポートするようになり、アラームを作成した後、指定した期間中は、アラームの評価を保留できるようになりました。
ウォームアップが適用されるのは作成時の1回だけで、終了後に更新しても再開しません。
従来はリソースの起動前にアラームを作成すると、メトリクスデータがまだ届いていない段階でアラームが評価され、データの欠落をアラートと定義している場合に、不要な通知が届くことがありました。
しかし、ウォームアップ期間を利用すると、最大2日間アラームの評価を抑制し、上記のようなケースでも不要な通知が届くことを防止することができます。
ウォームアップ期間は、アラームの作成時または更新時にWarmUpPeriodDurationInMinutesパラメータで設定します。指定できる長さは1分から2,880分です。
この間、アラームの状態はINSUFFICIENT_DATAのまま、評価状態がIN_WARM_UPとなり、アラームアクションは実行されません。
▼従来とウォームアップ利用時のアラーム状態の比較

▼参考
・Amazon CloudWatch がアラームのウォームアップ期間のサポートを開始 - AWS
・Alarm warm-up periods - Amazon CloudWatch
アップデート③:AWS DevOps AgentがSlackでの双方向インシデント調査に対応
DevOps Agentは、AWS、マルチクラウド、オンプレミス環境にわたる本番運用を管理し、インシデント対応を支援するエージェントです。
今回、Slackと統合され、調査のライフサイクル全体をSlack内で完結できるようになりました。
障害調査時にAWSコンソールとSlackを往復していたチームにとって、調査・共有・次のアクションをSlack上で進めやすくなるアップデートです。
▼Slack内調査例

接続済みの任意のSlackプライベートチャンネルでDevOps Agentを@メンションするだけで、調査を開始して進められます。
AWSリソース、システムメトリクス、アラームのステータス、デプロイ履歴、インシデントパターンなどについて質問でき、本番運用を効率化できます。チームが提供したコンテキスト、エージェントの調査結果、推奨アクションなど、調査の内容は1つのスレッドに記録されます。
双方向のやり取りは、自動では有効になりません。次の設定が必要です。
DevOps Agentのコンソールで、Slackチャンネルを関連付けるときに、双方向モードを有効にする(IAMロールの設定を含む)
対象のプライベートチャンネルに、Agent Spaceのリージョンに対応したDevOps Agentのアプリを招待する
チャンネルで設定用のメッセージ(setup)を送信する
パブリックチャンネルでは、一方向の通知のみ利用できます。会話は、チャンネルの新しいメッセージでアプリを@メンションして始めます。回答はスレッドに返信され、スレッド内の返信にもメッセージごとに@メンションが必要です。
この機能は、DevOps Agentがサポートされているすべての商用リージョンで利用できます。
このアップデートは、インシデント対応の通知をSlackで受けたいお客様に特におすすめの機能です。
▼参考
・AWS DevOps エージェントが Slack での双方向通信を新たにサポート - AWS
・Connecting Slack - AWS DevOps Agent
まとめ
今回紹介した3つは、アラームの不要な通知、画像配信の最適化、インシデント調査時の画面切り替えといった、日々の運用で手間になりやすい部分を改善するアップデートです。
ぜひ活用を検討してみてください。
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