AWS Skill Builderとは?無料でできることと、チームプランの違いを解説

「AWSを学び始めたいが、何から手をつければよいか分からない」「社内でAWSを扱える人を増やしたいが、教育の仕組みがない」。クラウドの活用が広がるなか、AWSをどう学ぶかは、個人にも組織にも共通する悩みです。
その入り口になるのが、AWSが公式に提供するオンライン学習サービス「AWS Skill Builder(スキルビルダー)」です。無料で使える学習コンテンツから、手を動かして学ぶハンズオン、認定試験の対策、組織向けの管理機能まで、ひとつのサービスでそろっています。
この記事では、AWS Skill Builderで何が学べるのか、無料と有料は何が違うのか、組織で使うときに押さえておきたい点は何かを、順を追って解説します。
- AWS Skill Builderとは?
- AWS Skill Builderで学べること
- 動画で基礎から学ぶ「デジタルコース」と「学習プラン」
- 手順書に沿って実際に操作する「AWS Builder Labs」
- 仮想のお客様との対話から構築まで学ぶ「AWS SimuLearn」
- ゲーム感覚で学ぶ「AWS Cloud Quest」
- 課題解決で実践力を高める「AWS Jam」
- 講義形式で学ぶ『デジタルクラスルーム』
- 認定試験に備える「試験準備」
- スキルを証明する「マイクロクレデンシャル」と「スキルプロファイル」
- 無料・個人・チームの違い
- 組織で使うなら「チームサブスクリプション」
- 学習状況を管理できる
- みんなで学ぶ仕組みがある
- 社内のアカウントと連携できる(SSO)
- 購入前に知っておきたいルール
- 学習の進め方のヒント
- 例1:認定取得を目指す場合の例
- 例2:育成プランをつくる
- まとめ
- AWSの人材育成は、NHN テコラスにご相談ください
AWS Skill Builderとは?
AWS Skill Builderは、AWSが運営するオンライン学習サービスです。AWSのサービスや機能を、動画やハンズオンで、自分のペースで学べます。クラウドの初心者から経験者まで、幅広いレベルに対応しています。
AWSの人材育成は、大きく3つの手段に分かれます。AWS Skill Builderは、このうち「デジタルトレーニング」にあたります。
手段 | 特徴 | 向いている場面 |
|---|---|---|
デジタルトレーニング | オンラインで、いつでも自分のペースで学べる | 基礎固め、日々の学習、認定試験の準備 |
クラスルームトレーニング | AWS認定講師によるライブ形式。講師にその場で質問できる。対面またはオンライン | 短期間で体系的に学びたい、質問しながら進めたい |
AWS認定 | 知識やスキルを証明する認定資格 | スキルの客観的な証明、キャリアの目標づくり |
AWS Skill Builderは、この3つのうち最も手軽に始められます。まずは無料で試し、必要に応じて有料プランやクラスルームを組み合わせる、という進め方が一般的です。
AWS Skill Builderで学べること
AWS Skill Builderには、学び方の異なるコンテンツが用意されています。
動画で基礎から学ぶ「デジタルコース」と「学習プラン」
デジタルコースは、動画とテキスト、確認問題で構成された、セルフペースのコースです。AWSのサービスや機能を、入門レベルから上級レベルまで学べます。日本語で受講できるコースもあります。900を超えるコースが、無料で受講できます。
学習プランは、役割やテーマごとに必要なコースを順番にまとめたものです。何から学べばよいか迷うときは、学習プランに沿って進めると、基礎から応用へ段階的にレベルを上げられます。サブスクリプションを使っている場合は、ハンズオンラボも学習プランに含まれます。
手順書に沿って実際に操作する「AWS Builder Labs」
知識は、手を動かすと定着しやすくなります。AWS Builder Labsは、AWSのサービスを、実際のマネジメントコンソール上で操作しながら学べるハンズオンです。画面に表示される手順に沿って、リソースの作成や設定を進めます。
ラボは、自社のアカウントではなく、学習用に用意された一時的な環境(サンドボックス)で行います。設定を間違えてもシステムに影響せず、思わぬ費用が発生する心配もありません。サービスやトピックごとにラボが用意されており、日本語で受講できるものもあります。AIの学習アシスタントも利用できます。
仮想のお客様との対話から構築まで学ぶ「AWS SimuLearn」
AWS SimuLearnは、AIを使った顧客とのシミュレーションと、実際のAWSアカウントでのハンズオンを組み合わせた学習です。
流れは3段階です。まず、仮想のお客様と会話して、課題や要件を聞き取ります。次に、フィードバックを受けながら、AWSを使った提案をまとめます。最後に、議論したソリューションを、ガイド付きのハンズオンで、実際の環境に構築します。技術に加えて、ヒアリングや提案のスキルも練習でき、役割、業界、トピックを選んで学べます。
なお、AIと自由に会話する形式は、英語のみの対応とされており、日本語では、用意されたシナリオに沿って進める形となります。
ゲーム感覚で学ぶ「AWS Cloud Quest」
AWS Cloud Questは、3Dのロールプレイングゲーム形式で、役割に応じたスキルを学べるコンテンツです。ゲームの中で課題を解決しながら、実際のAWS環境でソリューションを構築します。堅苦しい学習が続かない方や、新入社員の最初の一歩にも向いています。
課題解決で実践力を高める「AWS Jam」
AWS Jamは、現場で起こりうる問題をもとにした課題を、実際のAWS環境で解決する学習です。手順書はなく、ヒントを手がかりに、自分の知識で解決します。チームで参加して得点を競うイベント形式でも開催できます。
講義形式で学ぶ『デジタルクラスルーム』
デジタルクラスルームは、クラスルームトレーニングの内容を、動画とハンズオンラボで学べるコンテンツです。ロールや分野ごとに、体系的な知識を身につけられます。ただし、講義は動画での提供で、ライブクラスのように、その場で講師に質問する形式ではありません。個人プランの年間契約、またはチームプランで利用できます。
認定試験に備える「試験準備」
AWS認定の取得を目指す方には、試験準備のコンテンツが用意されています。試験の出題範囲を確認できるコース、公式の練習問題、本番に近い形式の事前テストや模擬試験で、不足している分野を確認しながら備えられます。一部のコンテンツは無料で、模擬試験などは有料プランが必要です。
スキルを証明する「マイクロクレデンシャル」と「スキルプロファイル」
マイクロクレデンシャルは、実際のAWS環境で課題を解決して、「できるか」を確かめるスキル証明です。サーバーレスやエージェンティックAIなどのテーマがあり、サブスクリプションなしで受けられます。AWS認定が知識の証明であるのに対し、実践力の証明として補完できます。
取得した認定やバッジ、学習の成果は、スキルプロファイルにまとめて、URLで共有できます。公開するかどうかは、学習者本人が設定します。
無料・個人・チームの違い
AWS Skill Builderは、無料で使い始められ、より深く学びたい場合に有料のサブスクリプションを選べます。有料プランは、『個人』と『チーム』の2系統です(個人には、月契約と年契約があります)。
無料 | 個人(月契約) | 個人(年契約) | チーム | |
|---|---|---|---|---|
料金(税別) | 無料 | 29 USD/月 | 449 USD/年 | 449 USD/シート/年 |
デジタルコース・学習プラン | ○ | ○ | ○ | ○ |
認定試験の準備 | 一部 | ○ | ○ | ○ |
Builder Labs・Cloud Quest・ | 基礎の一部 | ○ | ○ | ○ |
デジタルクラスルーム | - | - | ○ | ○ |
管理者ダッシュボード・レポート | - | - | - | ○ |
AWS Jamイベントの開催 | - | - | - | ○ |
SSO(シングルサインオン) | - | - | - | ○ |
※2026年10月23日時点。最新の情報はAWS Skill Builder の公式ページをご参照ください。
選び方の目安は、次のとおりです。
まず試したい:無料。デジタルコースを中心に、基礎の学習を始められます。
自分で認定取得を目指す:個人プラン。ハンズオンや模擬試験を使えます。デジタルクラスルームも使いたい場合は、年契約を選びます。
組織で育成する:チームプラン。学習状況の管理やチーム学習の機能が加わります。1人(2シート未満)の場合は、個人プランを選ぶ形になります。
個人プランは、月契約・年契約ともに、解約しない限り自動で更新されます。
組織で使うなら「チームサブスクリプション」
チームサブスクリプションは、組織で使うことを前提にしたプランです。個人プランとの大きな違いは、「管理」と「みんなで学ぶ仕組み」です。
学習状況を管理できる
管理者は、ダッシュボードから、メンバーの招待、シートの割り当て、コースの割り当て、受講状況の確認ができます。全体の受講状況に加えて、ユーザーごと、コースごと、ラボごとのレポートも作成できます。
有料のシートを持たず、無料のコンテンツだけを使うメンバーも、組織に招待して、利用状況を確認できます。まずは全員が無料コンテンツで学び、必要な人にだけシートを割り当てる、という使い方もできます。
注意点として、レポートで確認できるのは、セルフペースの学習の利用状況です。認定の取得状況は、別の方法で把握する必要があります。
みんなで学ぶ仕組みがある
チームプランでは、チームで参加して得点を競うイベントも開催できます。
Cloud Questのトーナメントや、試験準備のグループ学習を支える機能もあります。学習が個人任せになり、続かないという悩みは、「ともに学ぶ」仕組みで改善しやすくなります。
社内のアカウントと連携できる(SSO)
チームプランでは、SSOを使って、社内のIDでAWS Skill Builderにログインできます。対応しているIDプロバイダーは、Active Directory Federation Service、Azure AD、Ping、Oktaです。
購入前に知っておきたいルール
項目 | 内容 |
|---|---|
料金 | 449 USD/シート/年(税別) |
契約期間 | 1年。自動更新はできない |
シートの使い方 | 1シートにつき、1人のユーザーに割り当てる。複数人での共有はできない |
シートの再割り当て | 1年の契約期間中に、シート総数の20%まで、別のユーザーへ再割り当てできる |
シートの追加 | 契約期間中も追加できる。追加分の終了日は、最初に購入したシートと同じになる |
含まれないもの | クラスルームトレーニングと、AWS認定試験の受験は含まれない |
AWSから直接購入する場合と異なる場合があります。
学習の進め方のヒント
ここまでの内容を踏まえて学習の進め方の例を紹介します。
例1:認定取得を目指す場合の例
AWS Certified Solutions Architect - Associateの取得を目指す、すでにクラウドの基本を理解しているエンジニアを例にします。
事前学習:デジタルコースやCloud Questで、AWSの基本を確認します。基礎に不安がある場合は、ここで固めます。
体系的に学ぶ:デジタルクラスルームやクラスルームトレーニングで、ソリューション設計の考え方を学びます。
知識を深める:デジタルコース、Builder Labs、Cloud Questで、学んだ内容をサービスごとに復習します。
実践力を高める:AWS Jamで、実際の環境で課題を解きます。
試験に備える:練習問題や模擬試験で、不足している分野を見つけ、復習します。
一人で進めるステップと、仲間と取り組むステップを組み合わせると、学びの停滞を防ぎやすくなります。
例2:育成プランをつくる
組織で育成を進める場合は、いきなりコースを選ぶのではなく、次の順で整理すると失敗しにくくなります。
必要な人材像を決める:ビジネスの成果を出すために、どんな役割の人が、何人、いつまでに必要かを整理します。
対象者と、不足しているスキルを明確にする:育成する人を選び、目指す姿との差を確認します。
差を埋める学習プランをつくる:AWS Skill Builderやクラスルームから、学習方法と具体的なコースを選びます。受講人数やスケジュール、業務の状況も考慮します。
育成後の活用も計画する:学んだ人が活躍できる体制や業務も準備します。
AWS Skill Builderは、このうち3の「学習プラン」の中心になるツールです。
まとめ
AWS Skill Builderは、無料で始められる、AWS公式のオンライン学習サービスです。チームプランを利用することで管理機能やチーム学習の仕組みで、育成を進めやすくなります。
ポイントは以下のとおりです。
AWS Skill Builderは、AWSのトレーニングのうち「デジタルトレーニング」にあたる。
無料で、900を超えるデジタルコースを学べる。
ハンズオンや認定試験の準備の多くと、デジタルクラスルームは、有料のサブスクリプションで使える。
チームプランを利用することで、管理者ダッシュボード、レポート、Jamイベント、SSOが利用できる。
AWSの人材育成は、NHN テコラスにご相談ください
NHN テコラスは、AWSの人材育成を、営業と技術の両面から支援しています。
技術者向けには、AWS Skill Builder チームサブスクリプションの販売と、育成プランのご相談を承ります。
営業担当者向けには、AWSの提案力を高める実践研修をご用意しています。
「何から始めればよいか分からない」という段階からご相談いただけます。AWSトレーニングの詳細は、以下のページをご覧ください。
公開日
最終更新日




