官公庁(Ragate社協業) 導入事例
官公庁の閉域環境で Gemini 活用を検証へ。Google Cloud と専用回線で安全な生成AI利用環境の構築を支援

お話を伺った方
開発協力パートナー:Ragate株式会社
代表取締役 益子 様(写真中央)
ITコンサルティング事業部 部長 柳澤 様(写真左)
お客様の課題
機密性の高い情報を扱う官公庁のシステム環境において、Google Cloud を安全に利用するための閉域環境を構築する必要があった
検討を進める中で生成AIの活用も要件に加わり、庁内に蓄積された資料の検索・要約・分析などを支援する仕組みが求められた
Google Cloud、ネットワーク、セキュリティ、システム開発にまたがる幅広い要件へ対応できる体制が必要だった
課題解決の効果
Google Cloud の利用環境と専用回線を組み合わせ、閉域環境を構築するための基盤整備を進めた
追加された生成AI活用の要件にも対応し、Gemini による資料の検索・要約・分析などを検証するための環境を整備した
NHN テコラスがクラウド・ネットワーク領域を担い、開発パートナーのRagate様とも連携することで、インフラからAI利用環境まで一体的に支援した
機密情報を扱う環境でも、生成AIを業務に活用したい
生成AIの活用がさまざまな業務へ広がる中、機密性の高い情報を扱う官公庁では、一般的な環境と同じようにAIサービスを利用することは容易ではありません。
今回NHN テコラスが支援した官公庁のお客様から最初に寄せられたのは、Google Cloud を活用した閉域環境の構築についてのご相談でした。
当初はDNSやメール機能などを含む基礎的なインフラ環境の構築を主なスコープとしていましたが、検討を進める中でプロジェクトは拡大しました。Google Cloud 上の Gemini を活用し、庁内に蓄積された資料の検索・要約・分析などを通じて、日々の情報収集や確認業務を支援する構想へと発展していきました。
一方、扱う情報の性質上、AIの利便性だけを優先することはできませんでした。庁内の情報を適切に保護し、外部への通信を制御しながら、Google Cloud 上のAIサービスを安全に利用できる仕組みが必要でした。
そこでNHN テコラスは、Google Cloud とネットワーク領域を中心にプロジェクトを支援しました。システム開発については、クラウドネイティブやAIを活用した開発を手掛けるRagate株式会社と協業し、それぞれの専門性を組み合わせて取り組みを進めました。
Google Cloud と専用回線で、安全なAI利用環境を整備
こうした要件に対して、NHN テコラスは Google Cloud の利用環境とネットワークの整備を担当しました。
Google Cloud のリセールパートナーとして、Google Cloud の提供・契約を支援。本プロジェクトでは、公共のお客様のご要望に合わせたチケットプランを用意し、利用条件に応じて Google Cloud を利用できる環境を整えました。
さらに、庁内のオンプレミス環境と Google Cloud をインターネットを経由せず接続するため、専用回線の調達・設定もNHN テコラスが担当しました。
想定したのは、利用者が庁内側のWeb UIから操作し、専用回線を介して Google Cloud 上の Vertex AI ( Gemini )などを利用する構成です。
そのため、クラウド側だけを設計するのではなく、お客様がすでに利用しているネットワークやシステム環境も確認しながら、接続方法や必要な設定を整理しました。
クラウドサービスそのものだけでなく、実際の利用環境から Google Cloud へ安全につなぐネットワークまで含めて支援したことが、本プロジェクトにおけるNHN テコラスの重要な役割の一つです。
ネットワーク要件の整理にあたっては、システム開発を担当するRagate様と連携しました。Ragate様からは、NHN テコラスとの取り組みについて次のようなコメントをいただいています。
「専用回線の引き込みについては、両社で一体となって要件や現行環境を把握する必要がありました。目指すべきゴールについて丁寧にコミュニケーションを取りながら認識を合わせることができ、NHN テコラスさんの専用線に関する豊富な知見にも、非常に心強さを感じました」(代表取締役 益子 様)
単に Google Cloud や回線を提供するのではなく、その先でどのようなシステムを動かし、利用者がどのように使うのかまで共有したうえで環境を設計することが重要でした。
Gemini による資料検索・要約・分析を想定したシステムを開発
Google Cloud やネットワーク環境の整備と並行して、Gemini を実際の業務で利用するためのシステム開発も進めました。
お客様が目指したのは、単に「閉域環境の中で生成AIを利用できる」という状態ではありません。庁内に点在する資料を横断的に検索したり、大量の資料から必要な情報を確認したり、文書を要約・分析したりすることで、これまで人手で行ってきた情報収集や確認業務をAIによって支援することが、その先にある目的でした。
あらかじめ提示された要件では、Vertex AI を活用して庁内資料を統合解析し、資料の横断検索や大容量資料の要約・分析を行う仕組みが想定されていました。
こうしたAI利用部分を含むシステム開発についてはRagate様が担当しました。NHN テコラスが Google Cloud ・ネットワーク領域、Ragate様がWeb UIやAIサービスとの連携を含むシステム開発領域を担い、必要な要件や情報を共有しながら環境構築を進めました。
クラウド、ネットワーク、アプリケーションを個別に構築するのではなく、一つの利用環境として成立させるために、各領域をつないでいくことが求められたプロジェクトでした。

プロジェクトメンバー
写真左から
Ragate株式会社 取締役 SI事業部 部長 久保 様
SI事業部 清宮 様
NHN テコラス株式会社 マーケティング本部 営業部 藤澤
機密情報を守りながらAIを利用するためのセキュリティにも対応
生成AIを業務に活用するためには、ネットワークを閉じるだけでは十分ではありませんでした。
本プロジェクトでは、機密性の高い情報を取り扱うことを前提に、外部への通信制御、アクセス制御、データ保護、暗号鍵の管理など、さまざまなセキュリティ要件への対応が求められました。
Google Cloud 内にサービス境界を設けて通信を制御することや、オンプレミス環境で管理する暗号鍵と Google Cloud を連携させる構成などについても検討しました。
こうした要件に対し、NHN テコラスは Google Cloud やネットワークの観点から、開発パートナーはシステム・アプリケーションの観点から対応を進めました。
「AIを導入すること」そのものをゴールにするのではなく、お客様が求めるセキュリティ水準を維持しながら、実際の業務でAIを利用できる環境をつくることを軸にプロジェクトを進めました。
実業務での有効性を検証し、今後の利用拡大へ
現在、本プロジェクトでは、構築した環境をもとに今後の検証に向けた準備が進められています。
今後は、Gemini による資料の検索・要約・分析などが実際の業務にどの程度有効なのかを確認しながら、必要となる機能や適用する業務、利用範囲について検討が進められる予定です。
検証を通じて、「どの業務でAIによる効率化が期待できるのか」「現場で継続的に利用するためにどのような改善が必要なのか」といった、より具体的な活用方法を見極めていきます。
NHN テコラスは、Google Cloud を提供するだけでなく、お客様の既存環境やセキュリティ要件を踏まえたネットワークまで含めて支援することで、Google Cloud の導入から実際の業務における生成AI活用の検証までを支えてきました。
今後も Google Cloud やネットワーク環境を継続的に支援しながら、検証結果やAI技術の進化に応じた環境づくりをサポートしていきます。また、今回の取り組みで得られた知見を、セキュリティ要件の高い組織における生成AI活用にも生かし、安全かつ実用的なクラウド・AI利用環境の実現を支えてまいります。
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本プロジェクトにおけるRagate株式会社のシステム開発や協業の詳細について、同社の事例記事でも紹介されています。
官公庁におけるAI導入の大型プロジェクトを共同提案・開発 | Ragate株式会社
公開日
官公庁(Ragate社協業)について
Ragate社は、「最新技術を大衆化する」をMISSIONに掲げ、サーバーレスをはじめとするクラウドネイティブ分野やAIを活用したシステム開発を手掛けています。本プロジェクトでは、Web UIやAIサービスとの連携を含むシステム開発を担っていただきました。






